瑞牆でベルジュエール

 5月29日は瑞牆十一面正面壁でベルジュエールを登った。パートナーはTCくん。前日バナナで疲れたのでたまにはマルチで息抜き(?)しましょうか~と直前に決めたがこれが甘かった~。。もともと翌々週の継続登攀の予行演習になればいいかくらいの感じ、下の方のピッチだけでも触れれば良いかという目標だったが、結果的に時間切れで最終ピッチは登らずに9p目での敗退と、何となく悔しい結果となった。


5月29日は天気は快晴だったが予報に反して天気が低め。土曜の植樹祭の駐車場はほぼ満杯でクライマーも多そう。ベルジュエールにも何パーティーかすでに順番待ちかな~と、先行パーティーがいなくなってから登ればよいかと、ゆっくり準備して9時前に駐車場を出発した。途中、ベルジュエールへのアプローチで通った末端壁も3パーティーほどが取りついている。


7、8年前に一度だけツバメ返しハングを見物に来たことがあるのだけども、すっかり記憶の彼方。こっちかな~あっちかな~まだかな~と、見おぼえないな~と進んで、取りつきについたのが10時前くらい。今日は先行パーティーは1パーティ4人だけだったようで、ちょうど懸垂下降で降りてくるところ、早朝6時から登り始め、途中1名が足を怪我して降りてきたようだ。これは甘い気持ちでは取りつけないな、気をつけねばと気を引き締める。


先行パーティーが全員が懸垂で降りたところでベルジュエール 11b 登攀開始。なんせ1p目 11b が最大の核心なので、当然TCくんにリードしてもらう。TCくんもベルジュエールははじめて、マルチもまだ数本目なので、苦労している。10時になっても午前中の岩はとても冷たくて、TCくんは手がかじかんだそうだ。自分もビレイしていても寒くて、Tシャツにフリースでは寒い、上にウィンドブレーカーを着込んであとは一日着っぱなしだったが、この3枚でも一日ずっと寒かった。


TCくん、下部はルートファインディングに迷いながらも抜けていき、ハングを越えて1p目の第一核心も無事抜け、第二核心で惜しくもテンション。ホールドとムーブを探って抜けた。


さて私のフォローだが、、ウーム??私自身もマルチが久しぶりすぎて、ギアの整理とか、アタックザックの荷物を背負っての登攀とか、いろいろスキがありすぎる。出だしの棚にあがって肩掛けのギアラックをぐるぐる回して位置調整しているうちに、チョークバックを取りつきに落下させてしまった。。すでにもう数メートル登っているので降りれず。この日はチョークなしで臨むことになった。さらに2B目。。まだ出だしなのに~顕著なガバがあるのにどうやっても届かない。まだ朝一でカチで体を上げる力も出ず、フォローの気楽さで下のガバからエイやッとガバへデッドするが、、マルチのフル装備を背負ってのデッドはイメージの中のデッドとは程遠く、ガバに届く気配なくあっっけなくフォール。そのうえ1B目のアルパインヌンチャクを回収したときに服を挟み込んでいたらしく、フォールしたときにアルパインヌンチャクが落下。。一段下の棚になんとか留まっていてくれたので、2mほど下ろしてもらって回収した。


再度トライするもどうにもガバが遠い。結局、次の時は甘い棚をスローパー気味に全力で押さえて身体をあげて取る、と決めたけども今日のところは体力温存と、1B目にヌンチャクをかけなおしてA0して先を急ぐことにした。一度フォールすると、テンションするのにためらいが無くなってしまう悪癖、テンションは連鎖する。第一核心はトライする前にテンションして、ホールドを確認してからトライ。何とか抜けて第二核心、またまたトライ前にテンションして、ホールドを確認してから抜けた。


なんだかんだで二人ともテンションしているのでもう一度このピッチをトライするかどうするか相談、結果、まあまた登りに来ることもあるでしょうと、上のピッチを継続することになった。


ツルベで登りましょうということになり、2p目 10a は私のリード。なんだけど、もう1p目ですでにA0しているので、A0にためらいが無くなってしまう悪癖、A0は連鎖する。プロテクションが久しぶりの下向きピトンとかリングボルトとか、怖すぎる~、これが10aか~。。さっとヌンチャクをかけたら静荷重でテンションを繰り返し、ほぼほぼ人工登攀で2p目を登った。ためらいはないけど、なんか罪悪感?はある。。まあ次回のためにホールドはちゃんと確認したので、次の時は気合が入っていればちゃんとリードしよう。。


本当は2p目と3p目はつなげるつもりで登ったのだけど、、ここでまたダメダメぶり、ギアをちゃんと受け取らずに登ってしまった。ダメダメは連鎖する。さらには登攀開始段階で、持ってくるギアの選択が甘く、スリングと環付きビナが全然足りない。。3p目を継続するにはヌンチャクが足りないし、ここでピッチを切るのにも終了点を作るギアすら不足している始末。本当にダメダメだ。でも何とかせねばということで、自分のセルフ用のPASを外して木に終了点を作り、足りないビナはカムのビナを外して使い、終了点のバックアップ用のスリングが足りないのでカムの10㎝ほどのスリングをひたすら連結して使う始末。見栄えは悪いが安全面ではまあ何とか合格点かという終了点をようやく作成した。マルチの装備の勘所をすっかり忘れている。どのカムを使うかばっかりに気が取られて、アルヌンの数やスリングの本数、環付きビナの数など、読みが疎かになっていたと大反省。


ここから先のピッチはクラック主体になるので、まあ順調にこなしていく。チムニーでは秘密兵器、C#8も使って安心登攀。しかしマルチはスピードアップは課題かな。シロクマのコルに出たころにはもう日が傾き始め、8p目が終わったころには稜線上に日が沈んだ。ここで相談した結果、まあまた再度挑戦することもあるでしょうと最終ピッチは登らずに歩いて下降することに決定、9p目を歩いて肩に出て、そこから歩きで下降した。


下降する時点ですでに夜の7時でヘッデン行動。ヘッデン行動で初めての道は結構きつい。瑞牆本の下降の説明をよく読んで下降するが、さっそく樹林帯の中で道に迷う。引き返してもう一度説明を読み直す。正解の道は、ケルンのあるところから植林帯に踏み入った後、2mくらいですぐに右に降りる道(道と言っても枝がかぶさっていて明瞭ではない)に入って降りていく、植林帯を通るのはホンの少しですぐに小岩のざれた道に出て降りるのが正解だった。無事に岩のトンネルも潜り抜け、数回フィックスロープを使っての懸垂下降が出てきて、さらに下る。そろそろ取りつきかな~と何度か右の岩を見に行くがまだまだ。結局かなり降りて4回目くらい右に岩壁を見に行ったところで、ようやく取りつきにたどり着いた。


取りつきにたどり着いたのが8時、荷物をデポしたところでゆっくりして9時に下山開始、駐車場についたときには10時前だった。


久しぶりのマルチ、課題だらけだったけども、何を改善していけば良いのか、マルチの勘所を思い出し始めたし、目いっぱい気づきのある有意義な一日となった。いや~ベルジュエールはほんとに盛りだくさんの怖楽しいルート、継続登攀前に予行演習しといてよかった~。。


■反省点、気づいたことなど

・マルチのルートでまず徹底的に確認、調査しておくべきなのは、下降路、撤退方法。これについては暗記しておくレベルまでちゃんと確認しておく必要がある。

・フリーと違って携帯に入ったトポではだめだ。いつでも取り出せるように紙にコピーしておくべき、無くしたときのために予備も持つべき。

・携帯で写真、動画を撮るのは危険。紐付きのアクションカメラとか、メットにセキュアに取り付けたアクションカメラとかが良い。

・マルチのときはクライミングソックスはいた方が良い。緩めのシューズだと長時間履いていると蒸れてぬめって靴の中で足がずれる。。

・マルチのルートはたいてい標高高いし風の通りが良い。考えてるより二段上の防寒装備が必要だ。夏でも。

・安全装備だけに限らず、すべての装備をセキュア―に。紐は閉める、チャックは閉める、緩めずタイトに。半年で10㎏痩せたから、上着が特にぶかぶか。今回のウィンドブレーカーがぶかぶかすぎてギアに挟まったりして邪魔すぎる、ギアを落とせば参事になる。

・マルチにスリングは大量に必要だ。60㎝のアルヌンだけでなく、120㎝のアルヌンも2本は欲しい、大木にスリングをまく機会も多いので180㎝のスリングも必須。環付きビナも数枚は余裕が欲しい。

・ベルジュエールのチムニーはC#7がジャストサイズ。C#8だとちょっとタイトすぎる。チョックストーン直下にはC#1が入る。ロープの流れが悪くなるので120㎝アルヌンも必須。ノープロだと思って持っていき忘れたら大惨事になる。

・ベルジュエールの大フレークの上部はC#5サイズ。C#6だとタイトすぎる。でもルート全体を通してC#5がハマるのはここだけ。落ちる感じではないし、ここだけのために持っていくかどうか、軽量化のために省いた方が他で余裕ができて安全かもしれない。


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