小川山お殿様岩でスーパーイムジンRP!(涙)
11月4日は小川山お殿様岩でスーパーイムジンを登る。同行者はS田さん。天気は快晴、空の青は青を通り越して底の知れない深い滝壺のように蒼い。朝はいつにもまして肌寒い。ただこの肌寒さは精神的なものなのか、S田さんは今日は暖かいという。朝から気持ちが落ち込んで整わず、今日クライミングすべきなのかどうかと、迷う。気持ちが整わないときに登るとどんな結果になるか、前回手厳しく学んだばかりだ。その教訓で腰も痛むし左手の親指の付け根はまだ少し腫れている。しかしシーズンの期限切れは近い。この先天気次第ではトライできる回数は限られてくる。翌週は名張遠征だし、名張から帰った後にどれだけスーパーイムジンをトライするチャンスは有るのか。今日キメてしまわないと、今季RPの可能性はかなり困難になるだろう。別にスーパーイムジンが来年消えてなくなるわけではなく、今季登りたいのはただの自分が決めた目標に過ぎない。自分が勝手に決めた目標で別に誰に迷惑がかかるわけでも、人生が終わるわけでもないのに、今日登らねば、でも体が万全ではない、気持ちも整わない、根拠のないプレッシャーに押しつぶされそうで、、気持ちがなんとも重い。すぐ近くのお殿様岩まで足取り重く、死刑囚のような気持ちで上がる。
岩場に着くと、岩の状態は申し分ない。乾いた岩に朝日がしっかり当たって岩は少し暖かいくらい。手がかじかむ心配もない。気持ちは整わないが、もうムーブは問題ないはず、レストさえしっかりすれば登れるはずだ、登らなければ。。死刑の執行を少しでも遅らせようとする囚人の最後の抵抗のように、ことさらゆっくりと準備をして、死刑台に登る気持ちで取り付きへ上がる。
さて、スーパーイムジン 12b/c のトライ、ムーブは特に問題なかった。イムジンパートの序盤、いつもバランスが悪くてハラハラするトーテム黒のプロテクションが、やはりバランスが悪く、いつもと違うタイミングでクリップする。気持ちはもともと低いので、もうこれ以上動揺のしようもなく。。核心はキメたとおりにこなす。核心後の一番のレスト、ビレイヤーには申し訳ないけども、非常識な長さのレストをする。何度も何度も手を振って、もう十分だろうと思ってからも、あと5回と決めて更にレストする。
スーパーパートに入ってサイドのガバフレークを持ってのレスト。ここでもまたひたすらレストする。何度も何度も手を振って、もう十分だろうと思ってからも、あと5回と決めて更にレストする。
前回、手痛いミスを犯した足、ここだけは間違えないように慎重に置く。そこから先は決めたムーブを決めたようにこなす。前々回のトライで手が届かず落ちたリップ上のカチ取り、右手のガバの引きつけが、あれだけレストしたにも関わらず、引き付けきれない。何度も振り直せばさらに引き付けられなくなるので、引きつけよりも左手をとにかく伸ばすことを意識して手をのばす。カチが取れた。左親指は力が入らないが、ここで落ちるわけにはいかない。力の入らない親指も巻き込んでクリンプしなおす。最後の足運びも慎重にこなしてRP。
いや〜、ようやく登れた。登った嬉しさよりも、やっと終わった〜という開放感だけ。
この後、一旦駐車場に戻って、再びS田さんのクレイジージャムビレイに親指岩に登る。死刑台に登る足の重さから開放されて、坂道を登る足も軽い。まあハーネスくらいしか持ってないからね。この足の軽さで、ようやくスーパーイムジンを登れた嬉しさを味わうことができた。
S田さんも岩の冷たさにギャーギャーと文句を言いながらも無事にクレイジージャムにリベンジ。RP祝いに久しぶりに村役場横のレストランで外食。体重増加を気にせず食べたカツカレーが美味かった。
クラックを登る身としては、スーパーイムジンはやっぱり一里塚としてマストな課題かなと思うので、ようやくクラッククライマーの入り口に立てたのかな。多くの人にビレイしてもらったな〜。Kムくん、I村くん、S田さん、Y川さん、Kっちゃん、T巳さんかな。漏れてたら申し訳ないけど、みなさん、いつもビレイありがとうです。おかげで登れました。
スーパーイムジンの感想。このルートはイムジンパートもスーパーパートも無情なリーチ課題な気がする。もし自分にあと10cmリーチがあればワングレード簡単に感じただろうし、あと20cmリーチがあればツーグレード簡単に感じただろう。もし自分のリーチがあと10cm短ければ、自分には一生登れなかっただろう。海外のクライマーが来てあっさりオンサイトして日本と海外とのレベルの差に愕然!!的な逸話があるけども、それって単に日本と海外のクライマーのリーチの差だったんじゃなかろうかと、リーチを恨むオジサンは勘繰る次第。
さてこれから何を登ろうか、まだまだ頑張らねば。でも今回ほど、気の重いクライミングは初めてだ。負のプレッシャーではなく、プラスのプレッシャーを楽しめるように、目標との付き合い方は少し見直そう。
いや、でも時間が立つにつれあんなに気が重かったことはすっかり忘れて、嬉しくて口元が緩んでしまい、思い出すとニヤニヤしてしまう。。そして財布の紐も緩んでしまい、自分へのプレゼントとして80mロープとニューTCプロを買ってしまった。いやこれはプレゼントというよりも名張で必要な必需品だから。。